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山根 結太*; Hemmatiyan, S.*; 家田 淳一; 前川 禎通; Sinova, J.*
Scientific Reports (Internet), 4, p.6901_1 - 6901_5, 2014/11
被引用回数:14 パーセンタイル:52.06(Multidisciplinary Sciences)局在磁化と電動電子の相互作用は、磁性材料における多彩な現象の源となっている。最近、磁化の時間的・空間的変化がスピン流とそれに伴う電圧を生成することが示された。この、スピン起電力と名付けられた効果は、次期構造の運動とその性質を探索する上で強力な方法であると同時に、起電力生成の新機構を与えるものである。本論文では、磁場勾配のもとにおかれた磁気バブル配列の系が電圧を生成することを理論的に明らかにする。発生する電圧の理論式を導出することで、電流駆動磁化ダイナミクスにおける非断熱性を記述する現象論的パラメータの値を直接測定する手段を与える。このスピン起電力によって、磁場勾配を利用した新しいタイプのスピントロニクス素子開発への扉が開かれる。
家田 淳一; 山根 結太*; Sinova, J.*
no journal, ,
近年、反強磁性体を舞台としたスピントロニクス現象に注目が集まっている。特に、反強磁性ダイナミクスの電気的制御と検出という観点から、スピントルクやスピン起電力など、これまで強磁性体において確立し主要な役割を担っていた概念の再検討が重要な課題となる。理論的にも既にいくつかのアプローチが提案されているが、未だ十分なコンセンサスが得られてはいない。本研究では、反強磁性磁気構造のダイナミクスによるスピン起電力を理論的に検討する。先行研究において考慮されていなかった、副格子磁化の傾角性(有限の磁化の存在)、電子スピンと副格子磁化の交換相互作用における非断熱性、ラシュバスピン軌道相互作用の効果を取り込む。磁壁磁場駆動と反強磁性共鳴を具体的に取り上げ反強磁性単体から電圧生成が可能であることを示す。これらは反強磁性ダイナミクスの電気的な検出方法を与えるものとして有益であり、スピン起電力の出力増大に向けた物質探索の可能性を広げるものでもある。